2/21 FRI

晴れてるけど、寒い!息子と京都の四条へ。帰り道、枚方駅でおり、京阪交野線にのりかえる。用事は特にない。目的はただひとつ。「トーマス号」「パーシー号」に乗ることである。息子は大満足。車両の中にデザインされているキャラクターをつぎつぎ指差し、「あれはマードック」「あれはビリー」などと、図鑑で培ったマニアックな知識を披露しまくっていたが、わたしはもはやついていけない。
現在息子の頭の中身は、脳内メーカー(その人が考えてることを漢字で簡単にあらわす、占いのようなウェブサービス)で言えば、「脱線」の一言である。トーマスやその仲間が脱線するのも気になって仕方がないし、自分自身がいかに脱線していくか、ということをつねに考えている。みぞとか、水たまりとか、ふとんと壁のあいだとか、脱線できそうなところがあれば、そおっと突っ込んでゆく。いわく「気をつけて脱線する(←変な日本語…)」今日も、帰り道、いつもの保育園に寄ったのだが、三輪車で植え込みのところに脱線しては、わたしが引っ張り上げる、という動作をひたすら100回くらい繰り返していた。植え込みの木にぶつからないよう、移動距離は少なく50cmくらい。わたしは一歩も動かず、三輪車の後ろの棒に足をかけて戻すか、息子のフードを引っ張って戻す、というだけ。吹きさらしで寒いし、おなかも減ったので「帰ろうよ~」と言っても、「もっとだっせんする!」とストイックに脱線しつづける。地味すぎるだろう、この遊びはいくらなんでも。
夜、今日もアキはごはんいらなかったので、またパスタ。二日連続だと、ちょっと飽きる。

2/20 THU

朝、実家でめざめる。朝ごはんを食べたあとうちに戻り、洗濯物を干す。
書類を取りにきてください、とのことだったので、保育園へ向かう。息子は、ロビーの本棚にある「ヘンリーのもり」という本を読むのと、三輪車に乗れるのが楽しくて仕方ないので、喜んでついてくる。歩いて10分くらいの距離なので、もちろんストライダーで乗り込む。三輪車のペダルにもずいぶん慣れたみたいである。
同じように書類をもらいにきていたママの顔をまじまじ見てしまう。どう考えても、中学のバドミントン部の先輩である。今でこそ「体育会系」は苦手なわたしだが、当時は、ひとつ上の先輩たち(全員女子)に心底あこがれており、少女漫画的部活ライフを送っていた。うん、どう考えてもあのときが人生の中でいちばん少女漫画っぽい時間だった。今となれば1歳の年の差なんてあってないようなものだけど、15年経っても、当時の感覚は抜けない。向こうはわたしに気がついてないようである。どうしようか…と悩んでいたら、子ども同士が接近してしまい、話さざるをえない状況に。「あ、あの、M先輩ですよね」というと、一瞬あっけにとられる彼女。でも少し話すと誰だかわかったようで、「おお〜!」となった。わたしが恋するように憧れていた I 先輩の話になり、「ああ、市のこども室で働いてるよ。あそこ行けば会えるよ」とのこと。5回も6回も行ったのに全然気がつかなかった…。地元だと、こういうことがある。
最近息子は、文字に興味が出始めたようで、自分の名前をふくむひらがな数文字を覚えた。大人が、文字を見て、情報を得ている、と理解したようで、たとえば「ぐりとぐら」の絵本だと、タイトルを指差し確認しながら「ぐ、り、と、ぐ、ら」という。うちのお風呂の鏡の下にある台に、「カウンター、洗面設置台の上には、絶対乗らないでください」と書いてあるのを見て、を禁止マークで意味がわかったのか、文字を指差し確認しながら「や、め、と、く」。シンプルに4文字に収束!しかし意味は通じている…。
今日はアキは福岡に行っていないので、しらす、明太子(息子はたらこ)、ブロッコリーのスパゲッティ。たまには夜のパスタもいい。

2/19 WED

雪の予報があったが、低気圧は南へそれたようだ。
東京へ。7時前の京都発新幹線に乗るので、家を5時半前に出る。起きてきた父が、駅まで車で送ってくれた。移動の前半は、志村先生の「白夜に紡ぐ」を読みはじめる。リルケについての「晩禱」「薔薇のことぶれ」が出たのは2011年、一方こちらは2009年。大きくわけて3章だてになっており、その2章目は、「ドストイエフスキイ・ノート」。その頃著者は、寝ても覚めてもとにかくドストエフスキイ一辺倒だったようである。その熱意たるや、すさまじい。ページから、火の粉がとびちりそう。
所用があったのは、赤坂駅から少しはなれた場所。駅をおりると、細身スーツにしゃれたマフラーをした男の人たちが次々とビルにすいこまれてゆく。ああ、アキもかつてはこの一群にまぎれていたのだな…と感慨ぶかい。道の両わきには、まだ先週、先々週の大雪のなごりが残っていた。
昼過ぎに用事は終わる。代々木公園のそばのカフェで、ゆうすけ家族とランチ。ろこちゃんはあいかわらずさばさばっとした美人。1歳になる長女ちゃんとは初対面。人見知りはなく、終始にこにこ。その後、ゆうすけとVacantへ寄り、Littele Napのラテをごちそうになりながら、お互いの制作について話す。短い時間ではとうてい語りつくせない。ケイやオジーも元気そうでなにより。バカントをあとにして、渋谷のパルコ地下の文具店を少しのぞき、東京駅へ急ぐ。会いたい人、訪れたい店は数あれど、今日は日帰り。それに、その時点で一番会いたいのは、朝からずっと母と留守番していてくれている息子だった。あんなに毎日毎日一緒に過ごしているのに(or いるからか)、12時間会わないだけで、すごく長い時間離れたような気になる。それに、彼の場合、こんなにわたしを必要としてくれるのは、本当に今だけなのだ。「白夜に紡ぐ」は帰りの新幹線の中で読み終える。途中おなかがすいたので、レタス・ハム・チーズのシンプルなサンドイッチを食べた。最寄り駅まではまた父が迎えにきてくれた。朝から晩まで一日息子を見てくれていた母にも感謝である。家に着いたのは9時ごろだったが、息子はこたつで眠ってしまっていた。

2/18 TUE

さむさが戻る。
息子はストライダーをとめるとき、かならず律儀にスタンドをたてる。出発するときは、スタンドを蹴ってはずす。しかし、ストライダーにスタンドはないのである。大人のまねをした、エアスタンド。何度みても、最高におかしくてかわいい。
とあるメガバンクに起用されているとある俳優のことを、息子はアキだと思っている。その銀行に行くたび、ポスターに彼の顔を発見しては「とうちゃん!」小声で「とうちゃんちゃうよ」と言っても、ムキになって「とうちゃんよ!」と何度も言ってくる。
夜は英会話バイト。レストランでオーダーするという内容で、おいしそうな単語がたくさんでてきて、おなかがすいた。
明日は、早朝から所用があり、息子を一日母にあずけるので、実家に泊まる。近すぎて最近めっきり泊まってなかったので、なんだか久しぶりだ。夜中、ヒロがこたつで寝ていて、冬の風景だなあと思う。

2/17 MON

あたたかく晴れていたので、室池へ。山奥の公園なので、まだ雪が残っていた。しかもその雪がとけだして、地面がぐちゃぐちゃ。すべりだいをしようにも、ふもとが砂場なのでまだつもっている。とりあえず、遊具の汽車の中で、おにぎりとおやつを食べる息子。まあ、お昼を外で食べるっていうだけでも、気晴らしにはなるのでいいかな、と思ったけれど、ためしにさらに上の方にあるアスレチックの状況をみにいってみる。すると、遊具の雪はすべてとけていたが、サイドの階段は「つもった雪が凍って危険なので、使用禁止」とあった。どうしようか、と考えているところに、一組だけいた親子がおりてきて、「誰もいないから、のぼったあとは、遊具を逆走してきちゃいました」と教えてくれる。(普段は、のぼりは遊具、くだりは階段を使わないといけない。)なるほど、それでいこう!と息子と出発。
のぼりきると、銀世界!雪をいだいた木々や草が、春めく太陽に照らされてきらめいていた。階段はどんな具合だろう、と数段おりてみたが、しゃがみこんで手をついていてもすべるくらい危険なので、やはり遊具逆走コースをとることに。他に誰もいなかったので、問題なくおりられた。帰り道、息子は車で爆睡。
5月生まれの息子が、大人の真似をして「まだ2さい」という。(名前をきかれたら「おりた にさい」と答えることもある…)わたしが「もうちょっとしたら3歳になるね」と言うと、少し考え、「6じくらいになったら 3さい?」とたずねてきた。
夜は三食丼など。

2/16 SUN

いいお天気!朝からアキと息子は公園に。わたしは掃除。今週はばたつくことが予想されるので、今日のうちに普段より少し念入りに。
そうじを終えた頃、水たまりに(わざと)はまって靴もふくもどろんこになった息子が、得意顔で帰宅。まさに『バムとケロのにちようび』の一場面のようである。家中きれいにしたバムのもとに、「どろんこ びちゃびちゃの ケロちゃんが かえってきた」!
午後、アキの大学時代の友人、みずのうらくんとその奥さま(になる予定の)ともさんが遊びにきてくれる。フルーツがたくさんのった、きらきらしたケーキをたずさえて。みずのうらくんはほんとうにまじめな人で、お仕事について1質問すると10くらいの丁寧さで返してくれる。世の中では、そういう質問をされると「まあだいたいこんな仕事です」と、さらっと流すのがスマートとされているような気がするが、わたしは彼の訥々とした説明が大好きだ。自分の仕事が好きなんだなあってしみじみわかるし、内容がわたしの知らない範囲であればあるほど、めずらしい花でも見つけたときのような驚きと喜びがある。昼寝から起きてきた息子は、最初人見知りをしていたが、すぐに慣れ、「みずのうら」という名前がおもしろいのが「ごずいらくん!」などと呼んでふざけていたが、お二人が帰ったあとは「みずいろくん」と言っていた。
お風呂の中で、息子とアイスクリームの話になる。いろんな空想上のアイスを考え出す。「うん、それはおいしそう」「それはないな」(←たとえば、「めかぶアイス」などはきつそう…)などと言う中で、息子が言った「蠟梅(ろうばい)アイス!」にはまいった。色も香りも完璧。おみごと。
昨日の「伝書」にひきつづき、志村先生の「白夜に紡ぐ」も届く。どちらから先に読もうか迷うところだ。

2/15 SAT

昨夜の雪は屋根の上などのぞいて、ほぼとけていた。でも、朝公園を通りかかったら、昨日作った雪だるまはとけかけてはいたものの、まだ残っている。
とよみさんに息子をパスして、英会話バイト。今日は、パリ帰りの関空から直でクラスに来られた生徒さんがいた。さぞかしお疲れだろうに、わざわざ来ていただいて、ありがたいことである。どのクラスも楽しい生徒さんのおかげで、笑ってるあいだに時間が過ぎる。
息子をピックアップにいったら、仕事終わりのアキもあとからきた。そして「これきてたよ」と、一通の封筒をわたされる。こ、これは……!保育所の内定通知!無事第一希望が通った。福岡でも堺でも「あずけようかな」というタイミングが何度かあったので、いくつかの園を見に行ったし、実際福岡では無認可の一時保育を利用したこともあった。両市ともに、全国の待機児童ランキングでつねに上位に入っているので、今のわたしの状況で認可に入れることはまず不可能だったはずである。今住んでいる市は、そこまで激戦区ではなかったので助かった。でも、それでも、この通知を受け取るまでに、何回役所に行ったことか…。というような選考プロセスに関する話から、保育所に預けるとき、この時代においても未だにママがぶちあたるといわれる「3歳児神話」について悩んだり迷ったりしたことなどをここに書いたら、たぶん本2冊分くらいになると思う。ので、今は省略します。そのうちまた。
晩ごはんは、とよみさんと我が家3人でまわる寿司に行き、その後実家に少し寄る。ヒロが新しいブレンダーをためしたい、といって、りんごをまるごと一個とわずかな飲むヨーグルトを入れていたので、「ジューサーちゃうねんからあかんて!水分足りひんって!」と忠告したにもかかわらず、そのまま回してぐずぐずなものができていた。同じ失敗をしたことのある経験者が語ってあげたというのに。
志村先生の「伝書 しむらのいろ」が届き、さっそく読み始める。

2/14 FRI

朝起きると、大雪。すでにつもっているし、ふりつづいている。
息子連れで前髪カットに行こうと思っていたのだが、どう考えても連れて行けないので、母にパス。実家に向かうため、レインコートと長靴を着せる。この前買った傘をもち、息子は初めての雪の中をほんとうに楽しそうに歩いていた。「きれいねえ…」とつぶやきながら。
その美容院は初めて行く。妹の友人みさちゃんが教えてくれた。少し迷い、吹雪で服も濡れてしまったけれど、席に着くと、電気毛布をかけてくれて、けっこう乾いた。前髪だけのはずなのに、後ろも少し整えてくださり、ブローまでしていただく。
実家に帰ってみると、ベランダに小さな3つの雪だるまができていた。息子とわたしとアキだそうだ。目は大豆だった。
バレンタインのチョコレートは、この前、とよみさんと作ったもの。うそですね。とよみさんと作ったのではなく、とよみさんが作ったもの。オレンジジュースとバターとチョコレートだけ、つまり生クリームなしで作る生チョコ。テレビで見たレシピだそうだが、なめらかで絶品。
午後は、雪がやんだので、近くの公園で息子と雪だるま作り。わたしの不器用さが存分に発揮されたいびつで可愛い雪だるまになった。雪だるま以外にも、飛行機やおじぎちゃん(バムとケロより)も作った。おじぎちゃんに至ってはもはや何者かわからない怪しげな雪のかたまりでしかなかったが、息子は喜んでいたのでOK。寒いのですぐ家に戻る。母がくれたきずりんごが5個で、またジャムを作る。びんが4つあったけど、足りなかったので、入らなかった分は、ラップに小分けで冷凍した。ジップロックに広げて冷凍して使う分だけ折って使う方法もあるそうだ。
テレビで少しだけオリンピックのフィギュアを見た。ころんだり、回転が足りなかったりすると、見てるこっちでも「あ~…」とため息が出るくらいなので、どう考えても一番残念なのは本人なはずだが、それに引きずられず、一瞬で気持ちをたてなおして、最後まで優雅にすべりつづける強さ。そこに見入ってしまう。
夜はピエンローベース鍋。

2/13 THU

寒さはきびしい。冬が寒いというのは当たり前だけど、あらためておもうと素敵なことだ。
夕方、ごはんを作っていたら、ラジオ(OTTAVA)から、フォーレの 「3つの無言歌」の3番 がながれてきた。以前この日記で、『子どもの頃、音に色が見えていた」ことを書いたことがある。今でもときどきそういうことがあるが、今日は、かなりあざやかに見えた。パステルカラーのラベンダー、ピンク、ブルーという3色、転調するところでは、これもまたパステルがかった灰色とグリーンがまざったような色がひとすじまざる。目の前に見えるというよりも、からだのまわりに匂い立つような感じ。この曲をふくむ、3つの無言歌それぞれにささげるような小さな物語集を書きたいな、と思ったが、原題は「言葉のない3つのロマンス」(3 Romances sans Paroles)なので、そこに言葉をつけてしまうのは野暮か。そういうとき、絵描きさんはいいなあ…とうらやましくなる。でも、野暮でもいいので、やってみたい。あと、最近はなぜかシューマンにとても惹かれる。今年はたくさんききたい。
夜はいわしのかばやき。ごはんとの相性はもちろん抜群だが、小さめに切って、残り物のふろふき大根の上にのせ、小鉢に盛りつけると、なんだか料亭にでも出せそう。
今夜から雪がふるようだ。

2/12 WED

気温は低いけど、晴れ間がでるとあたたかい。梅が咲いているのを見つけた。同じ庭に紅白両方植わっていた。
特に発表する予定はないが、掌編をひとつ書く。本来わたしは誰もいないしずかなところでしか文章を書けない人間だと思っていた。でも最近は、息子を抱っこしながら片手でパソコンに向かうこともある。基本的に、息子が起きてるときにできるだけ携帯やパソコンをさわらないようにしているが、そうも言っていられない状況もままある。
この前お風呂で、息子が「『まさか…!』ってママいう〜」と言っていた。わたしの口癖らしい。たしかに、特に息子に対してはよく言っているかもしれない。(例:「まさか…(こぼしたんじゃ)」「まさか…(こわしたんじゃ)」)おもしろいので、「とうちゃんは?」とつづけてきいてみると、「とうちゃん、『すげえ』っていう〜」。たしかに、アキは息子にそのせりふを一番言ってるかも。にしても、よく観察してるなあ。
今日は本来バイトはないはずだが、急遽代講に行くことに。帰り道の電車の中で「薔薇のことぶれ」読了。帰ってきてからごはんを食べようと思っていたのに、息子を寝かしつけつつそのまま寝てしまい、夜中に起きて、おなかはすいてるけどがっつりしたごはんを食べる気になれず、うどんを食べた。

2/11 TUE

祝日。でもアキは出勤なので、息子と二人でとよみさんちへ。ほんとはみんな畑に行きたかったのだが、行くまでの道に雪がつもっている可能性があるので、あまり寒い日は自粛。今日もそういう寒さ。とよみさんが「バレンタインのチョコでも作りますか?」と仰るので、大賛成して行ったのはいいものの、到着時にはすでに出来上がった生チョコは冷やされていて、湯煎のチョコとディップ用のカステラとマシュマロが準備万端。チョコを一緒に作るというより、もはや「チョコ作り体験」である。慣れないわたしが最初から手伝ったところで何一つメリットはないので、ありがたく息子と楽しませていただく。(よく考えればそんなわたしがカフェで働いてたなんて、冷や汗ものだ。あらためて、ひろこさんと愛さんの心の広さを想う…)しかし、息子はまだあまりチョコを食べ慣れていないので、色味的に苦いものだと認識しているらしく、チョコレートコーティングする前のカステラのみをばくばく食べていた。お昼にチャーハンもいただき、帰宅。帰りの車の中で息子は寝てくれたので、よっしゃ!と思ったのもつかのま、おろしたら起きた。本日昼寝時間3分。うまく寝てくれれば昼間2時間くらい寝てくれてそのあいだ作業にあてられるのだが、今日はその時間皆無。がっくり。していても仕方ないので、家の掃除をしたり、晴れ間も出て少し気温が上がった近所の公園で遊ぶ。
アキは仕事なので平日のようなものだけれど、わたしのバイトはないので、今夜はお好み焼きにする。母がくれた煮込んだ牛すじがあったけど、ねぎを買い忘れたので、ねぎ焼きのようなものは作れず、普通に具に混ぜて焼いた。そういえば、うちの実家には天かすを入れるタッパがある。そのタッパはものすごくぼろぼろで、はっきり言って薄汚い。昨年の秋、帰国中の妹とその話になった。私「あれってさあ、ちょっとずつ継ぎ足してるんかな…」妹「そうそう…ぜったい洗ってないよな、容器」私「20年ものの天かすとか嫌よな、ラーメン屋の秘伝のスープじゃあるまいし」。が、この前母にきいてみたところ、「そんなもん、毎回つめるときに、ちゃんと前のやつ拭き取ってるわ!」とキレ気味に言われた。
夜は、リンデンフラワーのハーブティを飲む。初めて飲んだけど、くせがまったくといっていいほどない。なさすぎてちょっと物足りない。原産国は「フランス」とあるのを見て、ひさしぶりにヴェルヴェーヌが飲みたくなる。別名「レモンバーベナ」というのをさっき調べて知った。日本だとなかなか手に入りづらい(入っても高い)みたいなので、苗を買って植えてみるのもよさそう。

2/10 MON

桜のつぼみが少しずつふくらみはじめた。ストライダーでさくら公園といういつものコースのあと、駅前のスーパーに行って、それからまた保育園へ。三輪車に乗るのと、「ヘンリーのもり」というトーマスの本を読むのが目的。
「からすのパンやさん」の続編4冊を去年の春に手に入れたとき、たしか日記に「絵のイメージが変わってない」と書いた。しかしいまあらためて、「パンやさん」をしっかり読み返すと、続編とはやはり絵の質がぜんぜんちがう。毎日毎日絵を描いている人は、たとえば年をとってからでも(画風は変わったとしても)そこまで極端に下手になるということはないように思う。これは絵に限ったことではないはず。将来への自戒として、書いておく。
先日nowakiで買った荒井氏の絵本、「ぼくはぼくのえをかくよ」。息子はけっこう気に入ったみたいだ。「もじゃもじゃのおじさん」が自分のためにイラストも描いてくれた、ということもちゃんと覚えていた。すはまをくれた人、というだけのイメージで終わらなかったようで、よかった…。(そんなのもったいない!)さいごのページは、「ぼくはぼくのえをかくよ ずっとずうっとね」というせりふで終わるのだが、息子がこれを言うと、「うん、ぜひともそうしてくれたまえ」と力強く答えたくなる。
夜は、金曜のハヤシライスがまだ残っていたので、それを使ってドリアにした。
寝る前に落ち込むことがあり、しょげていたら、偶然友人から「会おう」とメール。急激に回復。

2/9 SUN

昨日よりあたたかいし、晴れた。ストライダーで、図書館へ。
「わかったさん」「こまったさん」の存在は知っていたが、実はもうひとつ「しまったおじさん」シリーズというのがある、というかあった。ロングセラーになっている前者二つとちがい、残念ながら絶版になっているとのこと。そうなると読みたくなるもので、図書館の閉架書庫にあったのを借りて、読んでみた。予想以上に「しまった」の頻度が高かった。でもおもしろかった。ちなみに、しまったおじさんの奥さんはこまったおばさん。
TwiningsのLady Greyをひさびさに飲んだ。なぜかわからないけど急に飲みたくなって、買ってみたのだ。ほんとうは、黒い箱にオレンジの景色の中を女の人が歩いてるパッケージを探していたのだけど、日本でも簡単に買えるサイトでは、青いパッケージ(どうやらinternational版らしい)しか見つけられなかった。ルースティを選んでみたら、レモンやオレンジなどの柑橘系の他コーンフラワー(矢車菊)も入っていた。コーンフラワーって味はあるのかよくわからないけど、ブルーが目に美しい。レディグレイは、しのちゃんのフラットに遊びに行くと、よく出してくれた。アールグレイでも、レディグレイでも、ミルクを少し入れて飲むのが好き。飲んだらやっぱりしのちゃんに会いたくなった。

2/8 SAT

起きると雪!誰かにメールしたくなって、でも誰でもいいわけじゃなくて、しかも朝6時台ということで、香衣ちゃんに。返ってきた返事には「昨日の夜遅くにみたプチ銀世界」という説明つきで、写真も貼付されていた。
英会話バイト。今日はアキが息子当番。大阪の雪はこれ以上ふらないらしく、雨にかわり、どんどんとけた。関東の方は大雪のようだ。
今日のアキと息子は二人コンビのときいつも行くパン屋さんでパンを買ったあと、交通科学博物館に行ったようである。機関車も買ってもらったらしい。夜寝る前「今日はとうちゃんとなにしたん?」ときいてみる。「え〜と、パンやさんいって〜、メロンパンとソーセージパンかって〜、りんごジュースもかって〜、それでかえってきた」「え?!それだけ?!」「うん」。
息子は仕上げ磨きのとき、前にくらべるとずいぶん素直に口をあけてくれるようになったが、それでもまだ大変なので、息子のリクエストを元に、即興でお話を作ってみたら、すごくラクになった。今は「トーマスと息子の冒険」毎回その場しのぎで作った話が口述で連載されている。「トーマスは京阪電車にのっていくことにしました。機関車なのに電車にのるのです」などというきわめてくだらない話が延々と。でもこれでおとなしく口をあけててくれるので安いもんである。
今日も仕事帰りの電車で「薔薇のことぶれ」を読んだ。志村先生のトンネルの中を歩いていたら、いつのまにかリルケのトンネルにつながっていて、はっと気がつくとセザンヌのトンネルにいた。リルケ書簡の中の、「セザンヌ書簡」はもう圧巻。リルケがセザンヌ展を見て妻クララに書いた手紙が本になり、それを志村先生が「薔薇のことぶれ」の中で引用しておられ、またそれをわたしが引用するとなると、まさしく数々のトンネルの中から一気にあかるみに引っ張り出してくるようなものだが、せっかくなので、一カ所だけ。

 ……(前略)……情緒的絵画が、はたしてどれだけ素朴な画にまさるのだろうか。「わたしはこれを愛します」という画を、いつも人々は描きたがった。しかし本当の画は、ただ「ここにこれがあります」という画ではないのか。そして、自然にむかってそっと「わたしはこれを愛しました」と告白するのが、画の本道といわねばならぬ。……(中略)……セザンヌはもはや誰ひとり人間を愛さなかったにちがいない。しかも彼は、決して愛を喪失したのではなかったのだ。一徹な孤独からうまれた、セザンヌの異常な天才は、ただ一途に「自然」にむけられた。セザンヌの愛はじっと一個の林檎にくい入っていた。カンバスに描かれた一個の林檎には、彼の切ない愛が、大切に、永遠に、そっとそのまま、しまわれている。……(後略)

2/7 FRI

あいかわらず寒いが、昨日よりは少しましなような。午前中はぴかっと晴天。
京都のnowakiへ。息子いわく「のわきやさん」。荒井良二展を見に行くのと、陶器でさがしものがあったので、それも見に。行くと、荒井氏が在廊していらした。着くなり息子、またトイレを借りる。まず陶器を見せてもらい、それから絵を見る。すぐに息子が「おうちかえる〜」とさわぎだしたので、きくちさんや荒井氏ご本人が「おやつ食べる?」と言って、息子に「すはま」(すあまとは別物)をくださる。荒井氏は「(すはま)何色がいい?色わかる? 緑はどう?ピンクは?」と話しかけてくださり、息子は遠慮なくばくばく食べまくっていた。わたしが「……なにしにきたんだか」とつぶやくと、「これを食べにきたんだよなあ!」と息子の気持ちを代弁してくださる氏。前回は、hortaのパウンドケーキを買ったこともあり、「のわきやさん」にくると、絵本やお菓子をもらえる、と思っている息子である。わたしが一番好きな絵本は置いてなかったけど、ふねと機関車と気球が登場する「ぼくはぼくのえをかくよ」という絵本(息子が選んだ)を購入。息子は、帰り道に電車で寝てしまい、着く頃ちょうど起きて、起きるなり「もじゃもじゃのおじさん(荒井氏)がおやつくれた!」と言っていた。買った本に、わざわざイラストとサインまで描いていただいたというのに、おやつもらったことで頭がいっぱいな模様……。正直に書くと、荒井氏の絵本は基本、子ども向けではないと思っている。だけど、そういう絵本があったっていいし、子ども向けじゃない絵本を子どもが気に入る場合だってある。「絵本はこうあるべきもの」という固定の枠から完全にはずれていて、その自由さに、心うたれる。息子への態度も、やさしいけれど、子どもだからというよりも、あくまで人間に対してのやさしさであり、とてもフラット、フェアでいらした。お人柄と絵柄は、やはりつながっている。
帰り道、家の近くの保育園で遊ぶ。園庭やロビーの本棚が解放されているので、自由に立ち寄ってOK。これまでもときどき利用してきた。息子は今日初めて三輪車に乗った。ペダルをこぐ、という作業がけっこう難しかったようである。家に戻ると3時前。お昼ごはんを食べ損ねておなかがすいていたので、残り物のひよこ豆とじゃがいものスープとおにぎりなどを軽く食べ、ほっとする。
夜はハヤシライス。

2/6 THU

寒いので、家にとじこもっている。今日はスーパーの買い物しか行かなかった。
この前購入したiTextProの使い心地は上々。縦書きがほんとにスムーズに動くので、ストレスがなくなった。たかがソフトといえばそうだけど、紙とペンにかわるものだと思えば、何でもいいとは言えない。書こうと思えば、ペンと紙だけ/パソコンだけ、どちらでも大丈夫。そういうフレキシブルさがあれば、家以外でもどこでも作業できるので、「どっちかだけしか無理!」というこだわりをもたないようにしている。でも、あえてベストなやり方を言えば、物語の歯車をまわすときは、ノートとペン、まわりはじめると、ペンのスピードが追いつかなくなるので、パソコンに切り替える、という方法。家にいるときは、たいていそうやって書いてる。物語ではなく、こういった日記とかエッセイは、だいたいパソコンのみ使用。
「晩禱」読了。ひきつづいて、同じく志村先生によるリルケについての本「薔薇のことぶれ」を読みはじめる。これは1冊目とちがって、リルケの詩集についてではなく、書簡についての本。そもそもわたしは、リルケの本は「神さまの話」しか読んだことがない。岩波文庫版。たしか何年も前に、関空の中の本屋で買った気がする。そして飛行機の中で読んだ。友人でリルケを読んでた人と言えばAnnaくらいで、唯一もってるその「神さまの話」だって、ほぼジャケ買いのようなものだ。そんなわたしでも、志村先生のやけどしそうなくらいの熱意でもって語られるリルケ論にぐいぐいとひっぱられて、これはもう彼の書いた他の本も読むしかないな、という気分になってくる。もし読むとしたら「マルテの手記」からにしよう。

2/5 WED

寒さはつづく。東京にいる弟の誕生日。
昨夜のさばが余っていたので、パンにはさんで「さばサンド」。さばサンドといえば、イスタンブール。ボスポラス海峡を眺めながら、りえと食べた思い出の味。イギリスにいるトルコ人が食べてるの見たことないので、おそらく観光用だとは思うが、それでも「さばとパン」という組み合わせがおもしろかったので、印象深い。美しさには、いろいろな種類があるが、あらゆる文化の融合という意味では、今まで訪れた都市の中で、イスタンブールが一番美しかった。
最近ソファで昼寝をするのが楽しいらしい息子。ソファですうすう眠る彼をときどき眺めやりながら書き物をしていると、非常に平穏でみちたりた心地になる。何かを達成したり、欲しい物を手に入れたときの、瞬間的な激しい喜びというのはそれはそれで人生を彩る輝きだと思うが、どこかに向かってたんたんと歩みをすすめているときに感じるおだやかな喜びは長く持続し、心の奥底をあたためてくれる。実際は、その道のりは楽しいことだけではなく、苦しいときもあるのだが、それもふくめて、あえて喜びと言おう。
息子は節分の大豆を気に入って、おやつに食べている。それを見た母と「ちびまるこちゃん」で、ともぞうがすりばちで練ってたよな、という話をした。実際に自分が食べたわけでもないのに、まるで食べたかのように覚えている。
息子のトーマス熱は高まる一方。プラレールのシリーズをアキが買い足したので、一日中それで遊んでいる。最近のトーマスは、制作費を抑えるためか、CGアニメになってしまっていて、簡単になった分、登場人物もどんどん増えているのだが、作品としては、やっぱりあの人形劇というかミニチュア模型版の方が見ていておもしろい。大人社会の縮図のようなぎすぎすしたストーリーラインも、今ではうすまっていて、「子ども向け」にはなったのかもしれないが、イギリスらしさはうすれたなあ…と思う。と、わたし自身どうでもよかったはずのトーマスにちょっと思い入れをもったりして、親が子どもに影響を与えるのと同じくらい、子どもから親も影響を受けるのだな、ということに気がつく。

2/4 TUE

昨日おとといと3月後半〜4月上旬のあたたかさだったのが一転、2月本来の寒さが戻る。からだというのは正直なもので、毎日寒いと慣れて平気になるけど、一日二日でも春みたいな日があると、その後の寒さが本当にこたえる。それは息子も同じみたい。今朝は気温も低い上、風もつめたくて、公園に行ったのはいいけど、二人してそうそうに退散。他の親子もまったく見かけなかったので、みな家にとじこもっているのだろう。お天気とは逆に、昨日までぐずぐずだった息子の機嫌はこれまた一転、彼本来のおだやかさが戻る。近くにいる人が泣いてないっていうだけで、こちらもリラックスできる。 
夕方、早めにごはんを作る。さばがあったけど、みそ煮は飽きたので、別のレシピ。切り分けたさばに片栗粉をまぶし、みじん切りしたにんにくを油で熱して香りづけし、その油でさばの両面を焼いて、にんにくも戻し、酒と砂糖としょうゆと水で味つけする、っていうのが書いてある基本だったけど、そこに白ネギときのことナスも投入した。レシピにはないお酢も入れた。青魚独特の食べにくさが完全に消えて、子どもでも食べやすく、大人でも食べ応えのあるおかずになった。
夜は、英会話バイト。帰りに駅の中のスーパーで買い物をしてるときに、手袋を片方なくした。今日の帰りの電車の中で、なぜかふと「この手袋、ちょっと子どもっぽいかな?」と思った(7,8年くらいはめてて、そんなの思ったの初めてだった)ばかりだったので、それが手袋につたわってしまったのかな〜などと考えつつ、一応おきゃくさまカウンターに立ち寄って「もし見つかったら連絡ください」と伝える。ちょうどアキも電車をおりてきたらしかったので、改札まで迎えにいって、めずらしく二人でそろって帰る。「手袋かたっぽなくしてん」「スーパーで?見つかるやろ」などと話していたら、さっそく電話があり、見つかったとのこと。3分くらい歩いたところだったので、引き返してとりにいった。子どもっぽくてもいいから、つかえるかぎり大切に使おう。帰り道、寒さはいよいよまし、星と月がさえざえとあかるかった。

2/3 MON

今朝も靄(もや)っている。でもぬくい。
息子は3日くらい前から、妙に泣き虫で、機嫌も悪い。そういう時期に入ったのか、それとも体調が悪いのか、はっきり見定められていないが、目の前に泣き続けている人がいるというのは、それがこどもであっても疲れるものだ。誰かが泣いてたらどうにかして泣き止んでほしいと思うのは、ほとんど本能レベルに近いことなので、それがかなわないと、(なだめる側の人間にとって)おなかがすいてるのに食べられない、眠たいのに眠れない、といったのと等しいレベルでストレスがかかる。生まれたての赤ちゃんのときも夜、数時間泣いてずっと抱っこしたり、1,2歳になってからも夜泣きで何度も起こされたり、ということがあった。そういうとき、体力的に大変なのもあるが、上記の理由により、精神的に大変なのである。母親である自分が子どもが泣いているのをなだめられないと、自身にどこか足りていないところがあるのではないか、と考えてしまったり。わたしなどは「そりゃ足りてないところだらけさ」とひらきなおるタチだが、それでもあまりに泣き止んでくれないと、定番のこのセリフがつぶやきたくなる。「こっちが泣きたいわ!」まあ今回の場合は、息子は鼻水ずるずるなので、それで機嫌が悪いのかな、とふんではいるが。
午後は空気中の湿度がたえきれなくなったかようにふりだす。町が雨にけぶる。雨はすぐにやんだが、その後じょじょに冷たい空気と入れ替わった。
節分。夜、実家で豆まき。手巻き寿司を食べ、外には大豆をまいて、家にはピーナツをまく、という掃除のしやすさを考えた母のアイディア。息子は鬼の面が少しこわいようであった。こんなチープなお面でもこわいのか、と思うと(普段の大人びた口調とのギャップもあって)可笑しい。それから、鬼とか夜とかをこわがっている子どもをみると、多少気の毒に思う反面、ほっとする気持ちもある。こわいものがある、というのはゆたかなことだからだ。

2/2 SUN

はるめくはるめく。でも朝雨がふってしまったので、公園には行けず。アキも仕事でいない。とりあえず家の掃除などする。冷蔵庫の奥を探っていたら、ジャムのびんが出てきた。先日作ったりんごジャム、ではなく、何ヶ月も前にとよみさんからもらったものだ。たしか妹さんか誰かが作られたときいたような。ラベルには「甘夏の果肉と伊予柑果汁のジャム」とある。未開封だったので大丈夫だろう、とあけて食べてみると、ふつうのマーマレイドよりも苦みがなく、さっぱりとした味。さっそくパンに塗って食べた。
それから、ようやくプリントしたのはいいものの、いまだ山積みになっていた写真たちを、アルバムに入れる作業。まず日付順にならべかえるところから。が、息子が並べた写真に突入してくるので埒があかず、実家へ移動。作業して、お昼を食べて、我が家へ戻る。
午後は戻ってきたアキと3人できょうりゅう公園へ。わたしは初めて行った。ひろい芝生の広場で、フリスビーをしたり、犬を放したり、ボールで遊んだりしてる人々を見ると、グリーンパークやハイドパークを思い出した。わたしはきっとまたあの公園を歩く日がくる。そんな予感もした。
今日の午後は、気温は16℃くらいまで上がったようだ。朝の雨がしみこんだ土が、その春のような陽射しにあたためられ、町全体にもうもうともやがかかっていた。春霞、という言葉が胸をよぎる。しかし今週は、また寒くなるようだ。

2/1 SAT

はるめく。コートは着ずに、ジャケットに毛糸のストールだけ巻く。
英会話バイト。今日もテスト返却&カウンセリング。午後の学校の方では、15歳(16になったかな)男の子と話す。夏ごろ、「料理が好き。自分で酢豚とかケーキとか作る」という話をきいた。でも、高2が近づいてきて「進路」を決めなくてはいけない、と学校から言われ、「料理とか言っててもしょうがないから、大学行く。そのあと? 警察になる」あまりに唐突だったので、「ずっとなりたかったん?」ときいたら、そうではないらしい。くわしくきくと、警察なら、そこにたどりつくまでの道が明確に見えたので、なんとなく選んだとのこと。高校一年生で、つきたい職業をはっきり決められなくても仕方ない。それに、警察官になりたい、というのが本当の気持ちなら、それはすばらしいことだ。だけど、彼の表情を見ていたら、とてももやもやした。自分をごまかしている人のたよりない笑顔だったからだ。わたしはただの通りすがりの英会話講師だし、このカウンセリングはあくまでテスト結果について話す、という目的なので、将来について熱く語る必要なんてない。でも、どうしても黙っていられず、言ってしまった。「まわりのみんなと同じじゃなくてもいいねんで。ほんとうに自分がやりたいことっていうのは、誰も教えてあげられない、お父さんもお母さんも、学校の先生も、わたしも、友達も。自分の心の底ふかくからきこえる声をきくしかない。それをごまかしつづけたら、本当にきこえなくなってしまう」彼の顔から、笑顔が消えた。まっすぐにわたしの瞳をみつめ、長い沈黙ののち、「……そうかもしれん」と言った。
帰り道、電車の中で「晩禱」を読む。自分の思考の浅さ、努力の足りなさが痛感される。わたしなんて、あの子に偉そうに語る資格なんてない。まだまだ未熟すぎる。そう思う反面、未熟さを言い訳に若い人たちへの励ましを止めてはいけない、とも。完璧な大人になれる日なんてきっとこないから、わたしもまだまだだけど、いっしょにがんばろうって、言うしかない。
夜は、カレーうどん。具は白ネギと鶏肉にした。

1/31 FRI

南風がふいて、春がきたみたいにあたたかい。ストライダーでさくら公園へ。この前、さくらの木が剪定されていたのを見かけた気がしたので、よくみてみると、けっこう太い枝が切られていた。びっくりするくらい赤い切り口。これから咲こうとする桜の花を凝縮したような色は、もしかしてこれですか、と無意識で志村先生に話しかけている。
息子は、昼寝からめざめたとき、寝起きとは思えないくらいはっきりとした声でいきなり歌をうたったりすることがよくある。しめきったふすまの向こうから、静寂をやぶって突然声がするので、毎回びくっとなる。昨日は、「かたゆきかんこ しみゆきしんこ」だった。それだとまあ、なんとなくほのぼのした気持ちになれるのだが、今日はというと…。「かんかんかんかんばんさんかん!やきにく やいても いえ やくな!」びっくりしすぎて言葉も出なかった。教えたこともないし、目の前で歌ったこともないし、テレビでも今やってないと思うし、息子自身がこれまでそのフレーズを口ずさんでいるのをみたこともないのだ。唖然としていると、ガラッとふすまをあけ、意気揚々とふたたび歌いはじめる息子…。「そ、それ誰が教えてくれたん?」ときくと「ヒロくん(わたしの弟)」とのこと。あいつか! 前回息子がヒロに会ったのは3日前なのだが、昼寝しているあいだに記憶がいろいろ整理されて、その歌が急によみがえったということだろう。にしても、もうすこしマシなことを教えりゃいいのに。まあ人のことは言えないが。
オニオングラタンスープを初めて作ってみた。スープはおととい作った中華スープを使ったので、手間はたまねぎを炒めることだけ。飴色になったたまねぎに小麦粉をふりいれて、スープとなじませ、味をととのえて、バゲットとチーズをのせて焼く。思っていたより簡単に、本格的に仕上がった。オニオングラタンスープは好きな食べ物の中でもけっこう上位に入るくらい好きなので、これからはもっと自分で作ろう。飴色たまねぎをたくさん作って冷凍しておけば、ほんとにすぐできそうだ。

1/30 THU

朝から雨。アキは、昨夜スープを飲んだあとたくさん汗をかいて、今朝はほぼ熱が下がっていたので、昼前には仕事に行った。わたしと息子は、イオンに息子の傘を買いに。彼に選ばせたら星とリボンがあしらわれた女の子っぽい感じのをチョイスしていた。(色合いと星マークで選んだとおもわれる)
午後は、りんごジャムを作る。息子も少し手伝ってくれた。レモンとお砂糖とで、ことことではなく中火で一気に水分を飛ばし、りんごのかたちをのこす。大人用のにはシナモンをまぜて、息子用の瓶の分はまぜずにおいた。りんご3個だったので、ちょっとしかできなかった。今度はもう少したくさん作ろう。
夕方、家にずっといるのに飽きた息子の気をまぎらわせるため、別の部屋に置いてあるジャングルジムに毛布をかけて、家にみたてて遊ぶ。じゅうたんにざぶとんをしき、一番下の段のすきま(かなりぎりぎりで入れた)にうつぶせに寝そべってみると、上からおりてくる息子の足の重みが背中のマッサージになってかなり良い! これは!と思って「晩禱」をもってきて、読んでみる。はたからみると、ジャングルジムの中にむりやり入った31歳(女)が2歳児に踏まれつつ本を読んでいる、というかなりしんどい絵であることが想像できたが、読書の時間には換えられない。しかし、真剣に相手をしてないことは即ばれて、「ちょっとママ、そこどいて」と一瞬で立ち退きをせまられた。
夜のメインは、さわらのホイル焼き。参考にしたレシピではかぼすを使っていたが、なかったのでゆずで代用。レタスの千切り→きのこ→塩をしたさわら→ゆずの輪切り→(お好みでバター)の順にアルミで包んでフライパンで蒸す。蒸し終えたらしょうゆを少したらして完成。

1/29 WED

息子の熱は上がったり下がったり、でも機嫌はいいし、今日は春のようにあたたかいので、家の近くの公園などに少しだけ行く。するとアキから連絡があり、調子が悪いので半休とって帰るとのこと…。昼過ぎに戻ってきて、きつねうどんを食べて、とりあえず横に。息子は、しんどそうなアキを心配して、どこか痛いんだったらこれを貼れば治るよ、といって、薬棚からバンドエイドを引っ張り出して、枕元に運んでいた。
買い物にも行きたかったし、でも午後になって熱が上がってきた息子を連れ回すのもあれだし、かといって倒れてるアキのもとには置いて行けないし、で、困ったときの実家頼み。(のびたの「ドラえも~ん」風に)「おか〜さ〜ん!」運良く、母がいてくれたので、息子をパスして買い物に。スープの材料や、ポカリなど買い込む。戻るとアキは高熱でふらふらになっていて、自分で病院にも行けなさそうだったので、車を出す。みじん切りのたまねぎと、すりおろしたにんにく、しょうがが入った鶏肉だんご、それに白菜、大根、白ねぎ、ニラ、にんじん、と風邪のときの定番スープをたっぷり作る。食べると汗が出て、芯からあたたまる。いろいろいろいろやりたいことは山積みだけど、病気の家族を放ってはおけない。まずはみんなが元気になることが一番だ。

1/28 TUE

先週末から息子が一日に何度も「おなかいたい」という。でもそれらしき症状もないので、様子をみていたのだが、昨夜熱が出たので、今朝から病院へ。前回行った小児科が最悪だったので、次行くならココと目星をつけていたとこに。結果から言うと、これでジプシーに終止符が打たれた。駐車場あり、設備よし、そしてスタッフ、先生ともによし! 先生は聴診器をあてる前にホッカイロであたためていらした。そういうささやかな気配りが、結局は人柄をよくあらわしているものである。息子はインフルエンザというわけでもなく、普通の風邪。熱も高くないので、整腸剤だけもらって帰る。
午後もまだ本調子ではない息子、甘えモードでわたしから離れない。仕方ないので、赤ちゃんのときみたいに抱っこ紐でおんぶして、晩ごはんの準備。13kgに近づいている息子を40分くらいおんぶしてたら、重たいのなんのって。でもくっついていたらご機嫌で、耳元でず〜っとぺちゃくちゃおしゃべりしていた。新じゃがとブロッコリーの炒め煮(バターしょうゆ風味)など、食欲が少し落ちている息子が好きそうなものばかり作ってもたせ、実家にあずけて、わたしは英会話バイトへ。
このクラスは、9月頃に、前の先生から引き継いだ。その先生が諸事情で担任できなくなってから、わたしのテイクオーバーが決まるまでの間、5週くらい連続で別の先生が担当していたらしく、最初にわたしと会ったとき、みんなから(偶然、高校生と大学生の女の子たちばかりだった)「また新しい人がきた。でもどうせこの人もすぐいなくなるんやろうな」という疑惑のまなざしを感じた。特に高1だったSちゃんは、とてもおとなしい子で、英会話を始めたきっかけなどきいても「別に…特に…」という具合だった。それから4ヶ月後の今日のカウンセリングでは一転、目をかがやかせて、今興味があることや将来の夢など語ってくれて、ほっとした。誰かが自分の前で心を(多少なりとも)ひらいて、胸のうちを語るとき、その人からきれいな色の雲があらわれて二人の上にひろがり、その色のシャワーがふってくるような心地になる。
なかなか読書の時間が取れないけれど、帰りの電車の中で5分だけ読んだ、「晩禱」のとある1ページに心底すくわれる。
息子は今日もらった薬がきいたらしく、夜はほとんど「おなかいたい」と言わなかった。でも、まだ熱があり、しんどいのか夜中何度も起きてきた。

1/27 MON

木曜日のひじきの祈り(1/25日記参照)が通じました。虫歯じゃなかった!子どもの虫歯で一喜一憂しすぎかもしれないが、息子にとってはもちろんのこと、わたし自身にとっても喜びだ。目に見えるかたちの評価がほぼない子育てにおいて「あんた毎日がんばってるよ!」というハンコをもらったような気分になる。(注:虫歯になるならないは体質もあるし、色んな事情がからんでいるので、子どもに虫歯を作ってしまったママが「あんたがんばってないよ」というわけでは決してありません)治療は必要なくなったので、フッ素(りんご味)だけ塗って、2分で終了。息子は風船をもらってにこにこ。「プレイルームで遊んでっていいよ」とのお言葉に甘え、おもちゃや遊具で遊び、絵本(「もりのはいしゃさん」)も読んで、なにしにきたんだかよくわからないくらい長く滞在。でも、親子ともども先生と信頼関係ができたので、これで万一虫歯になっても、安心だ。福岡の小児歯科でも、この医院でももらった「タフト17」という歯ブラシが良いので、ネットで注文して、使っている。子どもがかんでもすぐ広がらず、これにしてからは、歯ブラシが長くもつようになった。
帰り、愛するパン屋にまた寄る。前回息子が披露した「♪メロンパン かたいパン フライパン」と自作の歌(←誰も教えてない)がパン屋ご夫妻のつぼに入ってしまったようで、ドアをあけたしゅんかんに「フライパンの子だ!」という反応が…。今日は何も味のついていないシンプルなパンだけ買った。家に帰って、ツナ・コーン(+マヨネーズ・しょうゆ)をはさんで食べる。これをミルクティを合わせれば、イングリッシュランチの出来上がりだ。いや、公式にはどうだかしらないが、すくなくともわたしは在英中、ツナとスイートコーンのサンドイッチやジャケットポテトをよく食べてた。イギリス人のフラットメイトたちは、場合によっては晩ごはんとしても食べていた。
夕方は、母が教えてくれた隣町の八百屋まで、がんばって自転車で行く。りんごを多めに買ったので、今度ジャムを作るつもり。
夕飯は、鶏もも肉の照り焼きなど。これをのせてきじ焼き丼にしたけど、パンにはさんでも美味しい。

1/26 SUN

あたたかかった昨日の余韻が、朝方はまだしっかり残っている。昨日早く寝てしまったこともあり、4時に目がさめたので、よし!作業しよう!と思ったら、なぜか息子まで起きてきた…。さすがに早すぎるので、しばらく相手をして、どうにか寝かしつけたものの、自分も一緒に寝てしまった…。今わたしが自由に使える時間は、息子が眠っているときだけなので、こういう顛末になるとほんとにため息がでる。息子はなんにもわるくないのだけども。
午前中雨がふったりやんだりしていたので、息子とてるてる坊主を作る。彼にとっては生まれて初めて作ったてるてる坊主。甲斐あって晴れたので、ストライダーで図書館へ。宮沢賢治の「雪わたり」など借りる。賢治の童話を元にした絵本はたくさん出ていて、買うならどれがいいかな〜、と迷ってしまう。シリーズでそろえるのではなく、それぞれのお話で、一番好きだと思った絵やデザインのものを選びたい。違う絵のものを読み比べるのも楽しそう。でも本当は、絵本じゃなくて、純粋に字だけの童話で読むのが一番なのかもしれない。今日借りたのは、賢治のお話をライフワークにされている、小林敏也氏のもの。
午後、仕事に行ってたアキを最寄り駅でピックアップし、その足で河川敷に行って凧あげ。朝のぬくもりは消え、とにかく寒い。風も強く、「たこあげびよりや〜」と言ったものの、むしろ強すぎて、最初糸がぷつっと切れて、どこかにとんでいきそうになってしまったくらいだ。凧を離した瞬間から、走らなくてもその場でほぼ垂直にぐいーんとあがる。アキが糸を糸巻きから放って、凧をさらに上空に伸ばそうとしたら、あまりにもすごい勢いで糸が上昇して、その摩擦熱ではめていたフリースの手袋が燃えて、穴があいてしまった。わたしは車にカメラを忘れたので、とりにいって戻ったら、アキと息子が広い河川敷のどこにいるのか一瞬わからなくなる。でも空をみたら、凧がいたので、そのふもとをさがすと、無事見つかった。おやつにもっていったチョコビスケットが、湿気てカントリーマアムみたいになっていた。
夜は、実家で鍋。帰り道、雪が。ふみしめるのはアスファルトとはいえ、やっぱり歌いたい。「かたゆきかんこ、しみゆきしんこ」

1/25 SAT

今日もかなりあたたかい。春っぽいスカートをはこうかと思ったけど、ちょっと早い気もして、ふつうのスカートにした。
英会話バイト。今日は、半分通常授業で、後半はテスト返却&カウンセリング。人数の多いクラスだと、一人の生徒さんと話せる時間はとても限られていて、10分ちょっとくらいしかない。もっともっと時間があればいいのに、って思う。そうしたら、英会話について以外の話もいろいろできる。ひとりひとりが生ける物語で、それらはどれひとつとして同じものはなく、4月から毎週お会いする中で、物語の色合いが垣間見えた分、興味がわいて、もっとききたい、と思ってしまう。移動中の電車で読んだのは、志村先生の『晩禱 リルケを読む』。これが出たのは2年前。80代後半の先生が書かれたとは信じがたい。思考が深くあざやかで、自分が80代になったときに(というか今ですら)、それだけの集中力をもてるか、と考えると、疑問だ。ずっと第一線で仕事をつづけてこられた方にしかできないことだと思う。そして装丁が先生自身なのだが、本当に美しい。「カヴァーの図は、中東の旅の途中、とある町の片隅で偶然見つけた本に載っていたアラベスクの一つから採った。」とある。
息子の髪の毛伸びてたので、夜、お風呂で切る。息子はじっとしていてくれるので、失敗せずにすんだ。
アキが会社の知り合いのライブに行っていて、帰ってきたらうどんを用意してあげようと思っていたのに、9時過ぎに息子と寝てしまった。
プロフィール

織田 りねん

Author:織田 りねん
<おりた りねん>

contact:
lingolinen*gmail.com
(*を@にかえてください)


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